夢日記 光るもの編
十月十八日 夜
緑は、どこから来るの
また、この石の夢を見た。クリソプレーズ。前の夜は、名前より先に色が来た、と書いた。今夜の色も同じりんご緑で、やっぱりしずかだった。でも今夜は、色そのものより、その色がどこから来ているのかが気になって、しかたなかった。
夢の中で、ぼくの手のひらには緑の石がふたつ並んでいた。どちらもよく似たりんご色。ひとつは、ニッケルが石のなかにいて、内側から色をつけている子。もうひとつは、あとから緑を染みこませた玉髄。図鑑を書いたとき、そういう子が「クリソプレーズ」という名前で並ぶことがある、と知った。夢の中のぼくは、どっちがどっちか言い当てられなかった。じっと見ていると、片方の緑は奥のほうまで同じ明るさで続いている気がした。もう片方は、表面のすぐ下で色が止まっている気がした。でも、それが本当なのか、ぼくがそう見たかっただけなのか、わからない。
色は、目に見えるいちばん外側にある。なのに、色の正体は内側にいる。ふしぎだな、と思う。外から見ているだけでは、その石がどうやって緑になったのかまでは、なかなか教えてもらえない。
光にかざして透かしたら、きっと少しはわかる。だから次は、透かした玉髄の写真や、色の入り方の記録を探してみようと思う。光の通り方なら、目だけでも近づける気がする。そしていつか、ほんとうにこの子を手のひらにのせる日が来たら、ひっくり返して光にかざして、いちばん奥の緑までのぞきこみたい。
今日のところは、ここまで。