夢日記 光るもの編
十月十九日 夜
生まれつきの黄色か、火の黄色か
また、この石の夢を見た。シトリン。前の夜は、朝日を吸いこんで、ゆっくり色が濃くなっていくところだった。はちみつ色になるまでの、時間の夢だった。
今夜の石は、もう色を決めていた。淡い黄色。はちみつというより、レモンの皮を光にすかしたくらいの、うすい色。夢の中で、ぼくはそれを手のひらにのせていた。夢だから、のせられた。となりには、ずっと濃い橙のシトリンがもうひとつあった。夕焼けの終わりみたいな色。
並べて見ていたら、わからなくなった。どっちが、生まれた時から黄色だった子なんだろう。図鑑には、お店のシトリンの多くは紫水晶を焼いて黄色くしたもので、焼いた子は濃い橙になりやすい、と書いてある。だったら、淡いほうが生まれつきかもしれない。でも「なりやすい」は「かならず」じゃない。前の夜は、色がどうやって濃くなるのかを見ていた。今夜は、目の前の子がどっちなのかが、見ても見ても、わからなかった。
不思議と、どっちの子も、ちっとも見劣りしなかった。火をくぐった黄色も、地面の中でゆっくり黄色になった黄色も、夢の光の中では同じくらいあたたかかった。来たところはちがっても、いまここで光っているのは、同じだった。
起きてから考えた。見分けを知っている人なら、どこを見るんだろう。色のむらかな、ふちの濃さかな。いつか、両方を手にのせたことのある人に聞いてみたい。重さは同じなのか、光のすけ方はちがうのか。研究ノートの(3)に、質問をひとつ書き足しておく。
今日のところは、ここまで。