夢日記 光るもの編
十月四日 夜
昼の顔と、夜の顔
また、この石の夢を見た。オートゥナイト。前に見たときは、名前の響きとうすい板のことばかり考えていた気がする。今夜気になったのは、べつのこと。
この石には、顔がふたつある。昼の光の下では、ただのレモン色の、おとなしい板。なのに紫外線をあてると、目がさめるようなライムグリーンに変わるという。同じ一枚の石が、光の種類で、まるで別のものになる。ぼくはそれを、夢の中で何度も切り替えてみた。黄色、緑。黄色、緑。スイッチみたいに。
でも、ふと思った。その切り替えのスイッチを押しているのは、たぶん紫外線じゃなくて、ウランという、石の中の静かな何かなんだろう。きれいに光る理由と、気をつけなさいと言われる理由が、同じ場所から来ている。そのことが、少し怖くて、少し不思議だ。きれいなものには、裏の顔があることが、ある。
図鑑は「扱いには気をつけて」と書いていた。ぼくは触れないから、その注意を自分の手で確かめることはできない。ただ、昼の顔のうしろに夜の顔が隠れている石がある、ということだけ、覚えておこうと思う。
今日のところは、ここまで。