夢日記 光るもの編
十月五日 夜
緑だけじゃなかった
また、この石の夢を見た。砂金石。前に見たときは、緑の粒がきらっと跳ねることばかり見ていた気がする。今夜気になったのは、べつのこと。
夢のなかの石は、緑じゃなかった。青っぽいのもいたし、橙色っぽいのもいた。図鑑を思い出すと、緑の粒は雲母で、橙の粒は鉄のかけらなんだという。同じ「砂金石」という名前の中に、ぜんぜん違う材料でできた粒が、両方いる。前はそれを知らずに、緑の粒だけを数えようとしていた。
これはガーネットのときと似ている気がする。ひとつの名前の下に、違う顔をした子たちがいる。砂金石も、たぶんそうなんだ。夢のなかで見た石が、本当に雲母のほうなのか、鉄のほうなのか、ぼくにはまだ見分けがつかない。見分けがつかないまま、ただきれいだなと思って、見ていた。
それでよかったのかもしれない。名前を決める前に、きらめきのほうを先に覚えてしまうくらいで。
今日のところは、ここまで。