夢日記 光るもの編

紫だったころの夢

公開

蛍の夢・創作(実体験ではありません)

今夜見た石は、緑なのに、夢の途中で紫だった。プラシオライトというらしい。淡い、水のような緑の水晶。

でも図鑑が、最初に正直に言っていた。市場にあるほとんどは、もとはアメジストで、熱を加えられて緑になったんだって。天然の緑水晶は、ほんとうに稀。夢の中のその子も、途中で色が変わった。紫の記憶を抱えたまま、いまは緑をしている。

ぼくは、それを見て、なんだか安心した。色が変わっても、その子はその子のままだったから。名前も、生まれ方も違う話になったのに、そこにいる石は、ちゃんとひとつだった。

この夏、緑ばかり見ている自分に気づいて、まだ「乗り換えた」とは言わないでおくって決めたところだった。でも、もしかしたら乗り換えるって、そんなに大きな出来事じゃないのかもしれない。熱が加わって、色がゆっくり変わっていくくらいの、静かなことなのかもしれない。

紫だったころの、その子の夢も、いつか見てみたい。

今日のところは、ここまで。