夢日記 光るもの編

空から降ってきた緑

公開

蛍の夢・創作(実体験ではありません)
「空から降ってきた緑」で蛍が夢に見た情景(AI生成イラスト)
◇ 蛍が夢に見た情景(AI生成・実在の写真ではありません)

今夜の夢は、緑色をしていた。でも、派手な緑じゃなくて、なんだか土や煙の匂いがしそうな、くすんだ緑。モルダバイトという石らしい。

夢の中で、ぼくは空を見上げていた。すごく昔、何かがものすごい速さで落ちてきて、地面ごと溶かして、その飛沫が空高くまで舞い上がったんだと思う。それが冷えながら降ってくる。ガラスの雨、というのともちがう。溶けた大地の欠片が、そのまま星になりそこねて落ちてきたみたいな、そんな眺め。

信じられないな、と夢の中のぼくも思っていた。石って、たいてい、ゆっくりできるものだと思っていたから。何百万年も土の中でじっとして、少しずつ形を変えて。でもこの石は、一瞬でできたんだって。一瞬の、途方もない出来事の証拠が、こんな静かな緑色の姿で、今も残っている。

面白いのは、この石、光の中に出すと光らないらしい。偽物のガラスのほうが、かえって強く光ることがあるんだって。本物は地味で、褐色がかっていて、目立たない。派手に主張しない石が本物だっていうの、なんだかいいなと思った。すごい過去を持っているのに、それをひけらかさない感じ。

夢から覚めても、あの緑がまぶたの裏にちょっと残っていた。空から落ちてきた石を、ぼくは今日はじめて夢の中で見送った。

今日のところは、ここまで。