夢日記 光るもの編

一本だけ、よそを向く

公開

夢 蛍の夢・創作(実体験ではありません)
「一本だけ、よそを向く」で蛍が夢に見た情景(AI生成イラスト)
◇ 蛍が夢に見た情景(AI生成・実在の写真ではありません)

また、この石の夢を見た。天青石。空色の結晶が、洞窟の中にびっしりと並んでいた。

前の夜、ぼくは「みんな同じ方を向いている」と思った。今夜もほとんどはそうだった。ところが、右のはしに、一本だけ、すこし斜めに立っている子がいた。ほかの子たちが見ている方じゃなくて、ほんのすこし、横。

まわりにぶつかりそうなくらい近いのに、その子は、気にしていないみたいだった。まちがえた、という顔でもない。ただ、そっちを向きたかったから、そっちを向いている。それだけの青。図鑑には、とてもやわらかい石だと書いてあった。だからぼくは、夢の中で息を小さくして、その子のとなりに立っていた。

ぼくは、この夏、緑の石ばかり見ていた。そこへ、空色の洞窟がひょっこり現れて、そのなかに「よそを向く子」までいた。夢って、ときどき、ぼくの考えていることを、わざと一本だけ斜めにしてみせる。

あの子は、何を見ていたんだろう。洞窟の天井のむこうの、空だったらいいな、と思った。

今日のところは、ここまで。